47都道府県の柱プロジェクト~埼玉県~

 きまま工房 木楽里(埼玉県)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、岐阜県の養老町と輪之内町にある「森のわくわくの庭」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

 

<埼玉県の森林・木>

埼玉県の南西部には「西川林業地」と呼ばれる地域があります。

飯能(はんのう)市・日高市・毛呂山町(もろやままち)・越生町(おごせまち)の4市町にまたがり、

都心から40〜60km圏に位置し、その中心である飯能市は池袋から西武鉄道で1時間弱の距離にあります。

 

江戸時代には木材を筏に組んで江戸へ流送していました。

「江戸の西の方の川から来る」ことから、この地の材を「西川材」、また、その生産地を「西川地方(西川林業地)」と呼ぶようになったようです。

西川材は古くから色、ツヤのよい良質な材として知られ、寺院の建立などにも使われていた記録が残っています。

このように歴史ある地域材を活用してもらおうと、「NPO法人 西川・森の市場」では家づくりにおいて生産者から消費者を結び、顔の見える関係をサポートするなど、地域一丸となって取り組んでいます。

 

 地場の木材で自分だけの木製品をつくる

「きまま工房・木楽里(きらり)」では、身のまわりの小物から、イス、テーブル、ラックなどの家具類を自分でつくることができる体験型の工房です。

材料や工具、木工機械などが揃うのはもちろん、専属スタッフのアドバイスを受けながら製作することができます。

代表の井上淳治さんが家業として林業も行っているため、材料はほぼ地元のスギやヒノキを扱っています。

 

実際、木でDIYをしようとすると、どこで材料を買いますか?

選択肢の一つとしてホームセンターが挙げられますが、売られているものは外国産材が多く、意外と地元材を見かける機会は少ないのではないでしょうか。

しかし、木楽里であれば地元で採れた材を使って、自らの手でオリジナルの木製品をつくることができる、そんな貴重な体験ができる工房なんです!

 

林業では樹木が建築用材などとして使えるサイズになるまで50年前後の歳月が必要です。

そこまで育て上げるコストはもちろん、山中の急峻な地形に生えている木を伐採して運び出すのもひと苦労。

一方で、木材が適正な価格で売れなくなっているのが現状でもあります。

資源として森林を活用し続けていくのならば、山を適切に管理する林業が元気であることが重要です。

だからこそ、“木を適正に使う”という出口を作るための工夫が必要になってきます。

「木のものをいいね!と言ってくれる人はいるけれど、その先の購入につなげることは難しい」と井上さん。

だからこそ今後は「どう行動(購買)に移してもらうか」ということを視野に入れながら、志を同じくする仲間たちと新しい試みを始めつつあります。

 

 

上記の埼玉県の木は森のわくわくの庭にて柱材として活用しています。その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

 

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きまま工房 木楽里(きらり)

埼玉県飯能市井上138番地

TEL 042-970-2007

HP http://www.k-kirari.co.jp 

 

参考文献等)

西川材について | 西川・森の市場 | 埼玉県飯能市

http://www.morinoichiba.net/about/