47都道府県の柱プロジェクト~北海道~

松原産業株式会社(北海道)

この「47都道府県の柱プロジェクト」シリーズでは、岐阜県の養老町と輪之内町にある「森のわくわくの庭」内で柱材として活用されている各県の木や、その柱材の提供者である事業体について紹介しています。

 

<北海道の森林・木>

北海道は本州と比べて、気候や地形などが大きく異なるため、それらの影響を受けて育つ森林もまたちがった姿になります。本州の人工林はスギやヒノキがほとんどですが、北海道ではトドマツやエゾマツ、カラマツなどが主要樹種になります。加えて、北海道の厳しい自然環境で鍛えられた質の高い広葉樹も充実。本州だと標高の高いところにしか生えていないような、ナラ類、シラカバに代表されるカンバ類などが多く育っています。

 

さらに、広大な土地を有している北海道は、日本の国産材生産量のうち約16%を占めており、圧倒的な生産量を誇っています。特にカラマツは年間で131万㎥(第2位の岩手県は31万㎥)、広葉樹においては年間で62万㎥(第2位の岩手県31万㎥)を生産しており、数字からもその供給量の大きさがわかります。moriwaku cafeと森のわくわくの庭ではトドマツの柱材が使われています。北海道にしか生育していない樹木をぜひ五感で感じてみてください。

木材業としての責務を果たす

「松原産業株式会社」の初代会長である松原外次郎さんが、富山県から北海道栗山町へ移住してきたのは明治40年(1907)のこと。まもなく、北海道炭鉱汽船から土地の管理と抗木造材の仕事を頼まれ、会社の礎となる木材業がスタートしました。それから戦争の苦難を乗り越え、復興・経済成長とともに事業を拡大し、今に至ります。現在はフローリングや合板などの木製品の製造・販売から建設事業、グラフィックスプリント事業など幅広く活動。東京、札幌、仙台、大阪に支店や営業所を置き、全国規模で事業展開しています。

 

特に無垢フローリングにこだわり、国内にある自社工場で徹底した品質管理のもと、1964年東京オリンピックで使用された代々木第二体育館を筆頭に、全国の体育施設や文教関連施設で採用され、近年では有名ショップなどの商業施設や一般住宅でも採用されており、品質の高さを物語っています。同社が無垢フローリングに対してこだわるのは、木が持つ素材としての良さを最大限引き出すと同時に、ホルムアルデヒドなどの化学物質を含まずに仕上げることで、安心・安全につながると考えているからです。当然、自然そのままの素材なので、空調や湿度管理には多少気を使わなければならないのですが、それを補って余りある無垢材の良さを味わってほしいと考えています。

 

また、同社では創業以来、全道各地に約4,000haの社有林を持ち、伐採後の植林、育林に重きを置いた創業当初の事業ポリシーを受け継いでいます。さらに、間伐や林道の整備なども計画的に実施。木製品を売っていくだけではなく、森林の育成・保全にも少しずつ力を入れていくことで、循環型社会の一役を担うことができる存在を目指しています。

昔は馬の力を借りて山から丸太を運び出していました

揺らぎのある曲線が美しいフローリング材「スネークフロア」

上記の北海道の木は森のわくわくの庭(https://www.moriwakunoniwa.jp/)にて柱材として活用しています。

その風合いをぜひ間近で体感してみてください!

 

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松原産業株式会社

北海道夕張郡栗山町中央1丁目1番地

TEL 0123-72-1221

HP http://www.matsubarasangyo.co.jp

 

参考文献等)

北海道水産林務部(2017)「平成27年度北海道林業統計」

林野庁(2017)「平成28年度 森林・林業白書」